今回は、発酵と腐敗の違いについてのお話。
こんにちは!断食道場SHOPの山﨑です。
発酵スペシャリストを目指すために「発酵ソムリエ」の資格を取ることを決めた私。
前回の記事はこちら↓↓↓
発酵食品ソムリエで食生活を豊かに!発酵スペシャリストへの道【1】
本日は第2弾!「発酵」の基礎的な知識を身につけていきましょう!
今回は、
・発酵ってそもそも何?
・発酵がもたらす豊かな食文化
・発酵食品のメリット
この3つについて学んで行きましょう!
目次(押すとジャンプします)
発酵ってどういう現象?
まずは「発酵」という現象についてお勉強していきましょう♪
皆さんは発酵についてどんなイメージを持っていますか?
Q.発酵ってなんだと思いますか?
訳があって、猫耳をつけながら仕事をしている同期になんとなく聞いてみました。
猫耳同期「発酵???食べ物が良くなることかな!」
うん、ほとんど正解です。ただ見た目が少しスベっているので答えとしては△!
発酵とは簡単に説明すると
カビ・酵母・細菌などの微生物が、有機化合物を分解するときに生まれる「人間にとって有益な物質」を作ること。
簡単に説明できているのかな….
有機化合物とは、炭水化物やたんぱく質など炭素を含む物質です。定義としては「生物からつくられた」化学物質の事をさしており、砂糖や紙なども有機化合物に含まれます。
微生物は生命活動を行う事で、エネルギーを獲得するために有機化合物を分解します。分解と同時に「副産物」をつくりだしてくれるんです。それが発酵という現象です。
ちなみに、酵母とは微生物の一種。ビールやパンなど様々な食品に利用されています。
科学的に発酵と腐敗は「ほぼ同じ」現象
発酵と似た言葉に「腐敗」という言葉があります。
それでは、腐敗についても一般的なイメージを聞いてみたいと思います。
Q.「腐敗」ってなんだと思いますか?
別の同期にも質問をしてみることにしました。
小悪魔系同期「ん~食べ物が腐れる(腐れている)こと?」
こちらもほぼ正解!さらに、可愛いので大正解!ちなみに「腐れる」という言い方は九州地方の方言です。
微生物は「発酵」のように、
人間にとっては有害な、「食べ物を腐らせたり味や匂いを変える」はたらき
を行います。それが「腐敗」と呼ばれるものです。
人間にとっては全く逆の働きなのですが、科学的に「発酵」と「腐敗」は変わらないといわれています。
それでは、牛乳を例にあげてみましょう!
牛乳に乳酸菌が作用するとヨーグルトになる=人間にとって有益だから発酵
牛乳に腐敗菌が作用すると匂いや味が変化する=人間にとって有害だから腐敗
という風に、有害な現象を発酵と区別する為に「腐敗」という言葉を使っています。
「発酵」か「腐敗」かは人間の好みで決めている?
先ほど、発酵と腐敗はほぼ変わらないという風にお伝えしました。
それでは、その区別はどのように決められているのでしょうか?
答えは、文化や個人の好みによって決められているんです。個人の好みによって決められているなんて驚きですよね!
例えば、日本で朝ごはんの大定番の納豆。
しかし食べ慣れていない海外の人からすれば、納豆はいわゆる「ゲテモノ」だと感じることも多いようです。確かに、匂いやねばねばした食感は独特ですもんね。
納豆は日本人からすると「発酵」した食品だと感じますが、文化が違う外国人からすると「腐敗」した食品という風に考えるのも間違いではありません。
発酵がもたらす豊かな食文化
微生物によってもたらされた「発酵」により、人間にとって良い状態になった食品の事を「発酵食品」といいます。
発酵食品の歴史ってとても古くて、
すでに新石器時代には意図的に発酵食品を製造していた
といわれています。
世界に存在している発酵食品は、確認できるものだけでも1000種類以上!
発酵食品は長期的な保存がきくことから、最初は保存食として生み出された物も多いようです。
長い歴史の中で各地の文化や気候風土を反映しながら改良を重ねた結果、現在ではその地域の食文化に欠かせない存在になりました。
特に日本では、それぞれの地方ごとにバラエティ豊かな発酵食品が沢山あります。
調味料…醬油,味噌,酢,みりん
豆類・野菜…ぬか漬け,納豆
魚類…かつお節,くさや,塩辛
お酒…日本酒 など
味噌や醬油などの調味料や、お漬物はその土地の特産品となっていますよね。日本は温暖湿潤な気候なので、カビや菌などが繁殖しやすい環境。
さらに海に囲まれているので、発酵食品に欠かせない「塩」を安定的に供給することが可能です。発酵に良い環境が揃っていることから、日本の発酵食品文化はどんどん発展していきました。
発酵食品の3つのメリット
最後に、発酵食品の3つメリットをご紹介します。
保存性が向上し、長期保存がきく
発酵食品は発酵菌が大量に繁殖しているため、有害な腐敗菌が繁殖しにくいんです。その結果として腐敗が起こりにくく、長期保存が可能になります。
微生物って、とてもし烈な世界で生きています。ある環境で特定の微生物が一定数存在すると、その微生物が独占してしまい、他の微生物は繁殖することは不可能なんです。
栄養価が上がり、健康効果がある
微生物は発酵の際に、ビタミンなどの栄養成分を作ります。その結果、栄養価が上がり健康効果が高い食品が作られるんです!
また、数々の健康効果があることが、研究によって既に解明されています。
その健康効果の例としては、
・腸内環境の改善
・代謝のアップ
・血中の悪玉コレステロールの減少
・抗酸化作用
・ストレスの減少
などが上げられます。
発酵食品が腸内環境にとても良い事は有名ですよね。腸を元気にする腸活のために、発酵食品を摂取している人も多いのではないでしょうか?
人間の腸には約100兆個、重さにして1.5㎏~2㎏の細菌が存在しているといわれています。
この細菌の種類や状態によって、腸内の環境が日々変化します。
健康維持に貢献する「善玉菌」が多ければ腸内環境がよくなり、健康に害を及ぼす「悪玉菌」多ければ腸内環境が悪くなってしまうんです。
漬物やヨーグルトに含まれている「乳酸菌」は、乳酸菌自体が善玉菌に分類され、他の善玉菌を助ける効果があることが分かっています。
また、納豆を作る「納豆菌」には、悪玉菌を抑制する働きがあるそうです!
食品の味や風味が良くなる
食品の味や風味が良くなります。
発酵によってもたらされる、代表的な味として「うま味」があります。発酵食品には原料とは比べられない程のうま味がたくさん!
うま味の正体である「アミノ酸」などを生み出すため、美味しさがぐんとアップします。
ちなみに、かけるだけで味の風味が良くなる「うま味調味料」も、味噌や醬油を作る時と同じように発酵を用いて作られています。
まとめ
いかがでしたか?発酵は奥がふかいですね~
微生物によって人間にもたらす良い作用=発酵
微生物によって人間に及ぼされる有害な作用=腐敗
全然ちがうようで、じつはほとんど同じもの。人間に有益な物だけを発酵と呼ぶのは人間のエゴです。
微生物は私達の目には見えませんが、人間は昔から微生物と共存しながら生きてきました。
カビや細菌などの微生物は、「なんだか汚らしい」とか「排除するものという」イメージを持ちますが、微生物が一概に悪い物とは言えないんです。
発酵を学んでいる今だけでも、微生物に「ありがとう」という感謝の気持ちを持ってくださいね。
次回は微生物にもっと注目して
・微生物の種類
・発酵に欠かせない5つの微生物
この2つをご紹介します!
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。次回もお楽しみに~(*’▽’)