今回は、きゅうりの栄養価や期待できる効果についてご紹介します。
生食が主体で、気軽に食べられる野菜の代表格です。
そんなきゅうりですが、実はギネスブックで「世界一栄養がない果実」として登録されたことがあるんです。
きゅうりの歴史と旬
きゅうりの原産地はヒマラヤ地方。
中国を経由して日本に伝わりました。
きゅうりは漢字で「胡瓜」と書きます。
かつて漢民族は、異民族が住む西方地域を「胡」と呼んでおり、この「胡」からシルクロードを通じて伝来したため、「胡」から来た「瓜」という字が当てられました。
胡麻(ゴマ)や胡桃(クルミ)も同様の由来を持っています。
日本には6~10世紀頃に伝わったとされていますが、本格的に食用として栽培されるようになったのは17世紀以降。
かつては非常に苦い野菜でしたが、品種改良を重ね、万人に好まれる美味しい野菜になりました。
現在では、ハウス栽培も盛んで年間通して流通するきゅうりですが、露地ものの出荷が最盛期を迎える6~9月が旬とされています。
この頃の露地ものはハウス栽培のものに比べ栄養成分を多く含むだけでなく、価格もお手頃になります。
きゅうりの種類と食べ方・栄養素
種類と食べ方について
きゅうりの種類は世界中に400種以上あります。
日本で栽培されているものはほとんどが「ブルームレス」の「白いぼ系」。
「ブルーム」とは、キュウリ自身が乾燥などに耐えるために生成する成分です。
かつてきゅうりは、この「ブルーム」により白く粉をふいたように見えるのが普通でしたが、見た目がよくないことからブルームが少ない品種「ブルームレス」が開発され、広く普及していきました。
ブルームレスきゅうりは皮が厚めで、身質が軟らかくなりがちです。
最近になって、より歯触りがよい昔ながらのキュウリも見直されてきています。
また、キュウリといえば細長いものをイメージしますが、太いキュウリも存在します。
加賀野菜の「加賀太きゅうり」は直径8cm程度。
生で食べるほか、肉詰めなど加熱調理にも多く使われます。
もろきゅうとして食される短いきゅうりは、通常のキュウリを若穫りしたものです。
最近では、成長しても大きくならないミニきゅうりという品種もあります。もろきゅうや浅漬けに利用されています。
きゅうりの栄養価について
キュウリの栄養や有効成分冒頭で述べたように、きゅうりには栄養素がほとんどありません。
そんな中でもビタミンCは比較的多く含まれています。
ぬか漬けにすると、ぬかの持つビタミンB群が加わり、きゅうりの栄養価が増強されます。
キュウリに含まれるカリウムは、ナトリウムの排出を助ける働きがあります塩分過多による高血圧などの症状を予防します。
また、利尿作用も高いので、余分な水分を排出し、むくみを取る効果があります。
薬膳では、ウリ科の野菜は「体を冷やす」働きがあるといわれています。
夏の暑い時期に体のほてりを取ったり、夏バテを防止するためにはピッタリの食材です。