2014年に行われた調査によると、20歳以上の男女が選ぶ「好きな野菜」ランキングの第1位は「トマト」でした。
実は同アンケートで、トマトは6年連続1位の座を占めています。
同じ年に行われた「子どもが好きな野菜」に関する調査でも、トマトは3年連続で1位に選ばれています。
(タキイ種苗 2014年度 野菜と家庭菜園に関する調査http://www.takii.co.jp/info/news_140826.html)
このように、子どもから大人まで圧倒的な人気を誇るトマト。
しかし、日本での歴史はそんなに長くありません。
急激に普及した背景には、品種改良や食生活の変化、栄養豊富な点が挙げられます。
そこで今回は、みんな大好きトマトについてご紹介します。
目次(押すとジャンプします)
トマトの起源と歴史
トマトの起源は8世紀。
アンデス地方に広がっていたインカ帝国で栽培されたのが最初と言われています。
その後ヨーロッパにも広がりますが、毒があると誤解する人が多く、最初は観賞用として扱われていました。
日本にも観賞用として17世紀半ばに伝わり、食用として普及したのは明治に入ってからです。
その後、食の西洋化が進むとともに、調味料として加工されたトマトは一般家庭にも浸透しました。
また、トマト自体の品種改良も進んで日本人の口に合うよう工夫され、今では食卓に欠かすことのできない野菜となっています。
ハウス栽培も一般的で、年間通して入手することができるトマト。
露地栽培では、6~8月の出荷量が最も多くなり、夏が旬ということになります。
しかし、トマトはもともと、気温が低く降雨量の少ないアンデス原産。
日本の夏のような、高温多湿の環境下では甘味が薄く、水っぽくなりがちです。
春先や秋など、降雨量の少ない時期に生育したトマトの方が、美味しくいただけます。
豊富なトマトの種類
桃太郎
現在、最も流通量の多いトマトは「桃太郎」という品種です。
酸味が少なく食べやすい、熟しても果肉が崩れにくいといった特徴があります。
ファーストトマト
桃太郎が開発される前までは「ファーストトマト」という品種が全盛を誇っていました。
おしりのとがった形が特徴的。
そして、ゼリー部が少なくスライスしても垂れてこないという特徴があります。
完熟してからの日持ちが悪いために桃太郎にとってかわられました。
しかし、その甘味の強い味と質感は今も人気です。
フルーツトマト
最近目にする機会が多いのが、「フルーツトマト」。
フルーツトマトは、糖度が非常に高いトマトです。
フルーツトマトは水分量をギリギリまで減らして栽培します。
それによって果実が硬く引き締まり甘味が濃縮します。
その名の通り、フルーツのように美味しくいただくことができます。
ミニトマト
忘れてはいけないのがミニトマト。
赤だけでなく、オレンジ、黄色などさまざまな色があり、かわいらしいのが特徴。
甘みも強いので子どもにも人気です。
トマトの栄養や有効成分
トマトは緑黄色野菜であり、様々なビタミン類や鉄分・カリウムなどを多く含む栄養食品です。
中でも、トマトの赤い色素であるリコピンが最近注目されています。
リコピンを始めとしたカロテノイドには、活性酸素の悪影響を抑える抗酸化作用があります。
トマトの栄養を効果的に取り入れる食べ方
トマトに豊富なビタミンの中には、加熱に強いもの(ビタミンA・E)と弱いもの(ビタミンC)があります。
熱に弱いものも取り入れるためには、生食がおすすめです。
トマトの重要な栄養成分「リコピン」は脂溶性。
そのため、油と一緒に食べると体内でより吸収されやすくなります。
生のトマトにオリーブオイルをかけるようなメニューは、ビタミンもリコピンも同時に摂取できる理想的な食べ方です。
リコピンだけに焦点を絞ると、リコピンは加熱することで体内への吸収率が2~3倍も高まるという研究があります。
トマトソースやケチャップなどの加熱食品によって、リコピンを効率的に取り入れることが可能です。